当院では発熱外来にも取り組んでまいります。
発熱を起こす原因や病気はいろいろあり、感染症、膠原病(免疫の異常で起こる病気(関節リウマチなど))、悪性腫瘍、お薬が原因の薬剤性などが挙げられますが、急性発熱(症状が出てから数日以内の発熱)の原因は、ウイルスや細菌などによって起こされる感染症によるものが多いとされます。
感染症の原因病原体が体の中に入ってくる原因として、空気中に漂う病原体を吸い込むことで起きる空気感染(インフルエンザ、結核など)、咳やくしゃみなどの飛沫を介して感染する飛沫感染(通常の風邪ウイルスやコロナウイルスなど)、直接病原体が付着したものに触れるなどして感染する接触感染(ノロウイルス、病原性大腸菌など)などが挙げられます。いずれの経路の感染であっても人から人へ病気がうつる可能性があるため、当院では通常の患者さんと発熱がある患者さんの動線を分けて診療させていただきます。
なお、当院では医師が1名で様々な患者さんに対応させていただきますため、待ち時間が長くなったり患者さんにご不便をおかけするかもしれませんが、なるべく断らない医療を実践してまいりたいと思っていますので、ご理解何卒よろしくお願い申し上げます。
最後に、急性発熱をきたす疾患は最初に申し上げたウイルス、細菌などの感染症によることが多いのですが、若い方、普段は元気で大きな病気をしたことがない方、糖尿病・高血圧症などの基礎疾患を持っていない方の発熱はself limited(自然治癒しうる)と言われていますので、受診はしないで自宅で安静にしておくというのも立派な治療法だと考えます。発熱の原因として多い風邪症候群などは特効薬もなく、風邪薬を飲んだからと言って治るまでの期間が短くなったということは証明されていません(そうはいっても熱が続いた状態はしんどいと思いますので、解熱薬をご希望の場合は受診をお願いします)。
逆に考えれば、ご高齢の方、普段から病気がちの方、糖尿病・高血圧症などの持病がある方は重篤な感染症へ進展していく可能性があるため、ちゃんと受診するようにお願いします。
特に普段に比べて意識状態がよくない、ぐったりしている、強い腹痛、頭痛などの痛みがある、食事・水分が取れない、急激に体重が減ったなどの症状を伴っている場合は、レッドフラッグサイン(危険な兆候)と言われ命にかかわる可能性があります。上記が疑われる場合は、救急病院へのご紹介もさせていただきます。