当院では発熱外来にも取り組んでまいります。
発熱を起こす原因や病気はいろいろあり、感染症、膠原病(免疫の異常で起こる病気(関節リウマチなど))、悪性腫瘍、お薬が原因の薬剤性などが挙げられますが、急性発熱(症状が出てから数日以内の発熱)の原因は、ウイルスや細菌などによって起こされる感染症によるものが多いとされます。
感染症の原因病原体が体の中に入ってくる原因として、空気中に漂う病原体を吸い込むことで起きる空気感染(インフルエンザ、結核など)、咳やくしゃみなどの飛沫を介して感染する飛沫感染(通常の風邪ウイルスやコロナウイルスなど)、直接病原体が付着したものに触れるなどして感染する接触感染(ノロウイルス、病原性大腸菌など)などが挙げられます。いずれの経路の感染であっても人から人へ病気がうつる可能性があるため、当院では通常の患者さんと発熱がある患者さんの動線を分けて診療させていただきます。
なお、当院では医師が1名で様々な患者さんに対応させていただきますため、待ち時間が長くなったり患者さんにご不便をおかけするかもしれませんが、なるべく断らない医療を実践してまいりたいと思っていますので、ご理解何卒よろしくお願い申し上げます。

発熱外来専用入口 発熱外来専用待合

発熱外来の流れ

当院では発熱外来の診察時間枠を各日午前11:30-12:00、午後6:00-6:30で設けています。発熱外来受診を希望される患者さんは、WEB予約(当日30分前まで予約可能)もしくは電話にて予約してください。

WEB予約の患者さんはWEB問診票の記入をお願いします。電話予約の患者さんもインターネットの使用が可能であれば、WEB問診票を記入していただいた方が診療がスムーズになります。発熱で大変つらい状況であると思いますので、なるべくシンプルな問診票としております。

なるべくお車での来院をお願いいたします。当院へ来院されたら、お車から降りずに電話にてご連絡をお願いします。お車の利用ができない患者さんは、当院へ来院されましたら、発熱外来入口横のインターフォンでお知らせください。発熱外来用の隔離室へご案内させていただきます。なお隔離室のスペースが限られているため、発熱患者さんが多い場合は、来院時間を指示させていただく可能性がございます。

ここからは発熱及びそれに随伴する症状に応じて少し対応が異なります。
問診票で咳、鼻水、咽頭炎などの上気道炎症状を認める患者さんには、特に検査への抵抗がない場合はコロナウイルス抗原検査を実施させていただきます。またインフルエンザの流行期にはインフルエンザ抗原検査も実施させていただきます。上記症状がなく、コロナウイルス・インフルエンザウイルス検査を希望される患者さんはスタッフへお申し付けください。なお、コロナウイルス検査、インフルエンザウイルス検査は発熱後12時間以上経っていないと偽陰性(本当は感染しているのに検査では陰性と出てしまうこと)となる可能性があるため、症状出現から間がなく、まだもう少し待つ余裕がある患者さんは、症状出現から12時間以上経った後の受診をお願いします。

コロナウイルス、インフルエンザウイルスが陰性の患者さんや、問診上から上記ウイルスの検査は不要と医師が判断した場合は、発熱外来隔離室へご案内させていただき、診察させていただきます。

コロナウイルス、インフルエンザウイルスの陽性が確認された患者さんは、それぞれの疾患に応じたお薬を処方させていただきますので、お車でそのまま待機願います。

最後に、急性発熱をきたす疾患は最初に申し上げたウイルス、細菌などの感染症によることが多いのですが、若い方、普段は元気で大きな病気をしたことがない方、糖尿病・高血圧症などの基礎疾患を持っていない方の発熱はself limited(自然治癒しうる)と言われていますので、受診はしないで自宅で安静にしておくというのも立派な治療法だと考えます。発熱の原因として多い風邪症候群などは特効薬もなく、風邪薬を飲んだからと言って治るまでの期間が短くなったということは証明されていません(そうはいっても熱が続いた状態はしんどいと思いますので、解熱薬をご希望の場合は受診をお願いします)。
逆に考えれば、ご高齢の方、普段から病気がちの方、糖尿病・高血圧症などの持病がある方は重篤な感染症へ進展していく可能性があるため、ちゃんと受診するようにお願いします。
特に普段に比べて意識状態がよくない、ぐったりしている、強い腹痛、頭痛などの痛みがある、食事・水分が取れない、急激に体重が減ったなどの症状を伴っている場合は、レッドフラッグサイン(危険な兆候)と言われ命にかかわる可能性があります。上記が疑われる場合は、救急病院へのご紹介もさせていただきます。