大腸カメラについて

大腸カメラ

大腸カメラ(下部消化管内視鏡検査)では肛門からスコープを挿入し、大腸の一番奥の盲腸もしくは可能な場合は小腸の一部まで挿入後、抜去しながら病変がないか見ていきます。
開腹手術の既往がある方や慢性便秘がある方、透析している方は、腸の癒着があったり、腸が伸びやすかったりして、スコープの挿入に痛みを伴う可能性がありますため、事前に申していただければ、苦痛が少ないように麻酔薬、鎮痛薬の用量を調整させていただきます。

以下の症状や自らの行動等に心当たりのある方は、大腸カメラ(大腸内視鏡)による検査をお勧めします

  • 便潜血検査の結果が「陽性」と出た
  • 血便がみられている
  • 下痢や便秘の症状がある
  • 腹痛や腹部膨満感を何とかしたい
  • 貧血であると指摘された
  • 顔色がいつもすぐれない
  • 体重の減少が急激となっている
  • これまでに大腸がんや大腸ポリープの治療を行った など

大腸カメラ検査の注意事項

大腸カメラによる検査を希望される際は、事前にお電話等で受付までご連絡ください。検査の前に診察を行い、必要であれば血液検査(感染症の有無を調べる 等)も行います。診察の結果、検査を受けるにあたって問題がないとなれば、日時を予約します。前日や当日の注意点については、以下の通りです。

検査前日の注意事項

  • 検査前日の食事は、三食(朝・昼・晩)ともに消化の良いメニューとします。夕食は21時までに終えるようにします。
  • 検査2日前からは、食物繊維や種子の多い食品(わかめ、ひじき、こんにゃく、イチゴ、キウイ)は控えてください。
  • 前日の夜は早めに就寝し、体調をできるだけ万全にしておいてください。

検査当日の注意事項

  • 検査終了まで絶食しますが、水分(水やお茶)については制限ありません。
  • 常用薬のある方は、事前に医師へ報告してください。制限を受けていない薬であれば服用できます。
  • 喫煙されている方は、検査が終わるまで禁煙です。
  • 検査当日は、ご自身による運転(車・バイク・自転車 等)は控えてください。

大腸カメラの流れ

1.下剤を飲む
大腸の中は何も残っていない状態にする必要があるので下剤を飲みます。その量は多い(2ℓ)ので、何回かに分け、時間をかけて飲むことになります。その後は、繰り返しトイレに行くことになりますが、透明な便が出るようになると腸内は空っぽな状態になって検査が可能な状態になります。

2.鎮静剤を投与
検査着に着替え、検査台で横になります。その際に検査時の痛みを軽減させるための鎮静剤(静脈麻酔)を投与します。これにより、意識が薄らいだ状態(ウトウトした感じ)での検査となります。医師の呼びかけには反応することはできます。

3.検査の開始
左側を下にした状態で横になり、肛門から大腸内視鏡を挿入していきます。挿入時は空気も腸内に入りますが、これが腹痛や腹部のハリの原因になります。そのため当院では、できるだけそのような症状を軽減されるよう、腸管に吸収されやすい炭酸ガスを送気していきます。

4.腸内を観察
大腸カメラが結腸や直腸などの内腔を撮影し、その様子を医師がモニタを通して確認、病変の有無などを見ていきます。がんなどが疑われる組織があれば、内視鏡で一部を採取し、詳細を顕微鏡で確認する生検を行うこともあります。

5.検査の終了
観察のみであれば、検査は15分程度で終了します(個人差はあります)。

大腸カメラ検査後の注意点

  • 検査終了直後は、鎮静剤の効果が弱まるまで、1時間程度は院内で安静にお過ごしください。
  • 観察のみであれば、検査後1時間が過ぎた頃から飲食は可能です。
  • お腹にハリを感じられる場合は、おならは我慢せずに出しきってください。
  • 検査後当日の入浴はシャワーのみにしてください。
  • 生検を行った場合、検査当日の激しい運動は避けるようにします。